新NISAはいつから始まる?変更点やポイントについてわかりやすく解説

非課税が投資ができ、資産運用の手段として注目されているNISA(ニーサ)。このNISA制度が大幅に改正されると、ニュースやネット上で目にした方も多いと思います。

しかし、「いつから新NISAが始まるのだろう?」「改正後は今のNISAと比べてどんなことが変わるのかな?」と気になりますよね。

そこで今回は

  • 新NISAとは?開始はいつ?
  • つみたてNISA・一般NISAとの比較
  • 現在のNISAから新NISAの5つの変更点について
  • 新NISAに関する3つの注意点

などについてお伝えします。

新NISAについてまだよくわかっていないという方は、ぜひ最後までチェックしていただき、改正される前に予備知識を蓄えておきましょう。

目次

新NISAとは?開始はいつ?

はじめに、新NISAについて簡単に解説します。

新NISAとは、2024年に開始されるNISAの新制度のことです。

2022年12月16日に「令和5年度 税制改正大綱」が公表され、一般NISAとつみたてNISAが2023年末で終了し、2024年から新NISAが新設されることが発表されました。

この新NISAでは現行のNISAが大きく改正され、投資期間が一般NISAでは5年、つみたてNISAでは20年と制限があるのに対し新NISAでは無制限となり、投資可能な金額も大幅に上がります。

つみたてNISAや一般NISAについては別の記事で解説していますので、こちらもチェックしてみてください。

次の章でつみたてNISA・一般NISAと比較をし、新NISAの変更点についてお伝えします。

つみたてNISA・一般NISAとの比較

続いて、新NISAの変更点をつみたてNISA・一般NISAと比較しながら見ていきましょう。

下記が新NISAとつみたてNISA・一般NISAの比較表です。

現行新NISA
つみたてNISA一般NISAつみたて投資枠成長投資枠
対象年齢18歳以上18歳以上
非課税期間20年5年無制限
年間投資枠40万円120万円120万円240万円
生涯投資上限額800万円600万円1,800万円
投資商品投資信託・ETF上場株式・ETF・REIT・投資信託投資信託・ETF上場株式・ETF・REIT・投資信託(※)
投資方法積立積立・一括積立積立・一括
併用不可
売却枠の再利用不可

※高レバレッジ投資信託などを除く

現行のNISAはつみたてNISAと一般NISAの2つに分かれており、併用ができないためどちらか1つを選ばなくてはいけません。しかし、新NISAではNISAと一般NISAが一体化し、現行のつみたてNISAはつみたて投資枠に、一般NISAは一般投資枠となります。

また、今までは非課税で運用できる期間が決められていましたが、新NISAでは無制限となります。これで長期的な運用が可能となりますが、生涯で投資できる上限額を1,800万円に定めた生涯投資上限枠が設けられているため、この範囲内で運用することになります。

なお、つみたてNISAと一般NISAでは運用した分を売却すると、売却した分だけ非課税で運用できる投資枠が減ってしまいますが、新NISAでは売却した分の投資枠が復活するのもポイントです。

次の章では、つみたてNISAと一般NISAから新NISAの変更点について詳しく解説します。

現在のNISAから新NISAの5つの変更点について

次に、つみたてNISAと一般NISAから新NISAの変更点について解説します。

つみたてNISA・一般NISAから新NISAの主な変更点は下記の通りです。

  • 非課税で投資できる期間が無制限になる
  • 年間で投資可能な金額が大幅に上がる
  • 生涯で投資できる限度額が設けられる
  • つみたてNISAと一般NISAが一体化される
  • 売却した分の投資枠が復活する

それではそれぞれお伝えします。

1.非課税で投資できる期間が無制限になる

1つ目が、新NISAでは非課税で投資できる期間が無制限になることです。

つみたてNISAでは非課税で投資できる期間が20年、一般NISAでは5年と決められており、非課税期間が終了すると下記のいずれかの方法を取らなくてはいけません。

  • 新たな投資枠に移行または再投資する
  • 課税口座(特定口座または一般NISA口座)に移す
  • 売却して現金化する

非課税期間が終了するまでに利益が出るよう運用するのは難しく、課税口座に移す作業に手間がかかるデメリットがあります。しかし、新NISAでは非課税で投資できる期間が無制限となるため、期限を気にせず運用できるようになり、そのまま保有しておけるので口座を移す手間も省けます。

一般NISAでは非課税期間が終了すると、新たな一般NISAの口座に移すロールオーバーという手続きが必要ですが、非課税期間が無制限の新NISAでは不要となります。

2.年間で投資可能な金額が大幅に上がる

2つ目が、新NISAでは年間で投資可能な金額が大幅に上がることです。

つみたてNISAでは年間投資枠が40万円、一般NISAでは120万円ですが、新NISAではつみたて投資枠が120万円成長投資枠が240万円と、大きく枠が広げられます。そのため年間で投資できる金額が増え、その分多くの利益が見込める可能性があります。

株価が下落してしまうと、投資額を増やした分損益が大きくなってしまう場合もありますので、リスクを考慮したうえで運用しましょう。

3.生涯で投資できる限度額が設けられる

3つ目が、新NISAでは生涯で投資できる限度額である「生涯投資上限」が設けられることです。

つみたてNISAでは年間投資枠が40万円で、非課税期間が20年だったため合計800万円、一般NISAでは年間投資枠が120万円で、非課税期間が5年のため合計600万円を運用できます。新NISAでは非課税期間が無制限となった分、生涯で投資できる限度額を1,800万円に制限しました。

また生涯投資上限1,800万円のうち、一般NISAのように上場株式などの幅広い商品を運用できる成長投資枠で投資できる上限は1,200万円までとなっています。

4.つみたてNISAと一般NISAが一体化される

4つ目が、新NISAではつみたてNISAと一般NISAが一体化されることです。

つみたてNISAと一般NISAはそれぞれ異なる制度で、どちらか1つを選ぶ必要があります。しかし、新NISAではつみたてNISAが「つみたて投資枠」、一般NISAが「成長投資枠」に変わり、1つのNISA口座でどちらの枠も利用可能となります。

そのため、運用したい商品がつみたてNISAでは対象外になっていて運用できない、一般NISAだと運用期間が短くて利益を出しにくいといった悩みを解消できます。

5.売却した分の投資枠が復活する

5つ目が、つみたてNISAや一般NISAとは違い、新NISAでは売却した分の投資枠が復活することです。

例えば、上限が600万円の一般NISAで400万円を運用した場合、残りの投資枠は200万円になります。このとき200万円分を売却すると、その分残りの投資枠が減ってしまうため、投資枠が0になってしまいます。

しかし、新NISAの場合は売却した分の枠が復活するため、残りの投資枠は上限1,800万円ー400万円+200万円=1,600万円となります。このように途中で取り崩しても投資枠が復活するため、急な出費が必要なときに対応しやすくなるでしょう。

生涯で投資できる枠は復活しても、年間で投資できる金額は「つみたて投資枠」の120万円と「成長投資枠」の240万円を合わせて360万円までとなっており、売却分は上乗せされません。

新NISAに関する3つの注意点

ここからは、新NISAに関する注意点についてお伝えします。

新NISAに関する注意点は下記の通りです。

  • 一般NISAから新NISAへは移管できない
  • 未成年は利用できなくなる
  • 一部の商品が対象外になる

それではそれぞれ解説します。

1.一般NISAから新NISAへは移管できない

1つ目が、一般NISAで運用してきた分を、新NISAの口座へ移管できないことです。

一般NISAでは5年間の非課税投資期間が過ぎたら、新たな投資枠へ移管できるロールオーバーという仕組みがあります。しかし、新NISAへロールオーバーすることはできず、一般NISAは2023年末で終了するため、期間終了後は課税口座に移すか、売却して現金化しなければなりません。

2.未成年は利用できなくなる

2つ目が、未成年はNISAを利用できなくなることです。

現在は18歳未満の未成年でも運用できるジュニアNISAがありますが、つみたてNISAや一般NISAと同じく、2023年末に廃止されることが決定しています。一般NISAでは対象年齢が18歳以上の成人に限られるため、未成年の場合はNISA口座を開設できなくなります。

3.一部の商品が対象外になる

3つ目が、新NISAでは一部の商品が対象外となることです。

新NISAでは下記の商品が対象外となる予定です。

  • 整理銘柄、監理銘柄
  • 信託期間が20年未満の投資信託
  • レバレッジ型の投資信託
  • 毎月分配型の投資信託

上場廃止が決まった「整理銘柄」や、上場廃止基準になる可能性がある「管理銘柄」、信託期間が短い銘柄は対象外となる見込みです。

また、株価指数の倍の利益を狙うレバレッジ型のようなハイリスクな商品や、分配金を出すために元金を取り崩すこともある毎月分配型の投資信託は、長期的な運用には向かないため除外されるでしょう。

新NISAでよくある質問

最後に、新NISAでよくある質問に回答していきます。

新しくなるNISAについてよくわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q1.新NISAに移行するにはどうすればいいの?

すでにつみたてNISAや一般NISAの口座を持っている場合は、2024年になると自動で一般NISAに移行される予定です。

そのため、特に手続きは必要ないでしょう。

Q2.新NISAが始まったら今利用しているNISAはどうなるの?

2024年に新NISAが開始されたら、現在つみたてNISAや一般NISAで運用している分は、期間が終了するまで非課税で保有できます

また、新NISAの生涯投資枠の1,800万円とは別に利用できるため、さらに運用できる資産が増えることになります。

Q3.新NISAが開始されるまでNISAを始めるのは待っていた方がいい?

新NISAでは、つみたてNISAや一般NISAとは別枠で利用できるため、2023年からでもNISAを始めることをおすすめします。なるべく早い段階で運用を始めた方が、積み立てる資産が増えるため、その分多くの利益が生まれる可能性があります。

また、新NISAに変わっても手続きが不要となる予定のため、開始前から始めても変更の手続きをしなくて済みます。

Q4.ジュニアNISAで保有している分はどうなる?

現在ジュニアNISA口座で保有している分は、18歳になるまで非課税で保有できます。3月31日時点で18歳になる年の1月1日以降は、課税口座へ払い出されます。

なお、ジュニアNISAは2023年末で廃止されるため、2024年以降は新規の投資はできません

さらに利用しやすくなる新NISAでお金を運用しよう

今回は新NISAについてお伝えしました。

それでは簡単にまとめます。

■つみたてNISA・一般NISAから新NISAの変更点

  • 非課税で投資できる期間が無制限になる
  • 年間で投資可能な金額が大幅に上がる
  • 生涯で投資できる限度額が設けられる
  • つみたてNISAと一般NISAが一体化される
  • 売却した分の投資枠が復活する

■新NISAへの変更後について

  • すでにNISA口座を持っている場合は、自動で一般NISAに移行される予定
  • 現在運用している分は、期間が終了するまで非課税で保有できる
  • 現在運用している分は、新NISAの生涯投資枠の1,800万円とは別に利用できる

2024年からNISA制度は変わり、非課税で投資できる期間が無制限になったり、年間で投資できる金額が増えたりと、多くのメリットがあります。

まだNISA口座を持っていない方は、新NISA開始前からつみたてNISAや一般NISAを始めておき、資産を増やしていきましょう。

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この記事を書いた人

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